安価なドットサイトとして選ばれることの多いオープンタイプのドットサイト。その中でも2色のドットと4種類のレティクル切り替え機能を持ったHOLLOW TECH タンカラーリフレックスクアトロドットサイトを紹介する。
このタイプのドットサイトは当初どのメーカーが始祖であったのかが分からないくらい、たくさんの類似製品が販売されている。今回のようにレプリカ扱いすることが適切か、と言う考えもあるが、メジャーな光学機器メーカーより今回の品の販売価格の数倍の製品が出ていることから、レプリカ品と同様の捉え方で見え方や狙点調整等を確認していきたい。
HOLLOW TECH タンカラーリフレックスクアトロドットサイトを開封
製品は外側に何も表示のない紙箱に入っており、なかに緩衝材とともに本体と付属品が梱包されている。
商品構成は
・HOLLOW TECH タンカラーリフレックスクアトロドットサイト本体
・レンズカバー
・クリーニングクロス
・ボタン電池(CR2032)
・狙点調整用六角レンチ(径違い2本)
・取扱説明書(英文)
となっている。箱内に入っている物ですぐに使用できるセット内容だ。
本体右側にはメーカー名のHOLLOW TECHのロゴと、銃の20mmレール取り付けのためのマウント部のネジ、その上部にレティクルの左右方向を調整するためのネジを備えている。天面にはドットの色(赤もしくは緑)と光量(各色5段階)を選択するためのノブとレティクル上下方向の調整ネジがある。
左側は上下方向および左右方向のレティクル調整をロックするためのイモネジがあり、レティクル調整の前にはこのネジを緩めなければならない。
また、後端には4種類のレティクルを切り替えるためのレバーがある。
電池は天面の光量選択ノブの上部の蓋を開け、その中に入れる形だ。電池を抑えるバネが強く蓋の開閉には苦労した。
早くも残念な点として、レンズのコーティングがドットを反射させるもののみとなっており、余計な反射を抑えるコーティング(マルチコーティング)が行われていない。そのため画像のように、見る角度や太陽等の光源の位置によってレンズ内に周囲の映り込みが発生する。
HOLLOW TECH タンカラーリフレックスクアトロドットサイトの使用感をレビュー
今回はタンカラーのドットサイトであるため、同じタンカラーの銃として東京マルイのコンパクト電動ガンMP7A1。また通常の黒系統のカラーの銃としてKSCのM4 MAGPULガスブローバックにそれぞれ搭載してみた。
どちらもサバゲーフィールドで見かけることがある組み合わせであることもあってか、違和感なく収まっている。しかし、やはりタンカラー同士で合わせた場合の一体感は素晴らしい。
取り付けについてはどちらの銃の場合もダットサイト下部の取り付けステーのネジを緩め、銃上部の20mmレール部に装着後、ネジを閉めるだけでグラつき等の問題なく取り付けることができた。
このドットサイトの魅力的な機能がレティクル切り替え機能だ。赤と緑のそれぞれの発光時に4種類のレティクルを切り替えることができる。フルオートで大まかに狙いたい時は丸型、遠距離の敵に仰角を付けて狙いたい時は十字形、など用途に応じて切り替えることができる。レティクルセレクトノブを動かして、カチカチとラチェットの節度あるクリック感とともにレティクルが切り替わるのは、操作をしているだけでも中々に楽しいものだ。
ドットの光量については、赤の最大光量(5)でも冬の晴れた日の空に向けるとレティクルを視認するのがやや厳しかった。そのような場合は緑に切り替えると赤よりは視認性が上がる。しかしながら画像の通り、前述したレンズのコーティングによる反射が視認性に影響を与えている。
ゼロイン時の注意点として、上下左右の調整を固定するイモネジ(ロッキングスクリュー)をかなり緩めないと固定が解除されない。画像のように5mm程度の飛び出しとなるまで緩める必要がある。このイモネジに対して使用するレンチは六角の1.5mmである。
このタイプのダットサイトは、上下左右の調整を行うとマウント部に対して発光部を上下左右に動かして調節するため、ゼロインの調整範囲は非常に大きく優秀である(画像でマウント部と発光部の位置関係が変わっているのがお分かりだろうか)。このサイトも調整ネジにクリック感があり調節がしやすい。
調整範囲は3mmの六角レンチを使用し、左いっぱいから右いっぱいがネジ17.5回転、上いっぱいから下いっぱいまでの調整がネジ7回転となっている。
また、留意点として左右調整はネジのストッパーとしてCリングがついているが、上下方向は無いため、緩め方向(弾道DOWN方向)に回し過ぎると固定が外れてしまう。
HOLLOW TECH タンカラーリフレックスクアトロドットサイトのレビューまとめ
古くからあるダットサイトの形状であるが、いまだに販売されているのは比較的安い価格帯にあることと、視野の広さ、ダットの調整範囲の広さにあると考える。
この製品についてはレティクルの4種類切り替えに加えドットの色も2種類に切り替えられるため、安価でありながら機能性が高い点は素晴らしい。
しかしながら、レンズに反射防止のコーティングがないことが狙い辛さにつながっており、その点が見やすさと言う光学機器の根本的な性能に影響を与えてしまっているのが残念だ。
コスパを求めるならレプリカは合わないことも…
今回紹介したような安価な価格帯ではなく、光学機器メーカーから同等の機能で、レンズの反射を抑えた製品が販売されており、狙いやすさを求めるのであればそちらを選択した方が間違いはない。いくつか代表的なものを紹介したい。
東京スコープ BED35
実銃用光学機器を多く扱うメーカーからも同等の機能と形状を持つ物が販売されている。ただしこちらは実銃用扱いで10倍近い価格差だ。
ベクターオプティクス RDSL09
安価な実銃用光学機器を販売するベクターオプティクス社から数千円高い程度の価格で反射防止コーティングが施された物が販売されている。エアソフトガン用途であれば上位互換の代替品として選択肢に入るのではないだろうか。
ご自身の用途や予算に合わせて最良の光学機器を選択していただきたい。