導入
今まで様々なホロサイトレプリカのレビューをしてきましたが、今回はその5xxシリーズの中の一つ、Eotech 553のレプリカを取り上げたいと思います。
553といえば、アメリカ特殊作戦軍、通称USSOCOM(United States Special Operations Command)やmk18mod1を彷彿とさせるものの、実物は諸事情で手に入れる事が難しいアイテムの一つ。
故にレプリカしか手に入らない状況ですが、その出来はどんな感じなのでしょうか。
EOTech 553とは
EOTECH HWS 553は、A.R.M.S.社製のQDマウントを装備した、NV対応、CR123電池で駆動するホロサイトになります。
他の5xxシリーズと同じく、レティクル光量の増減ボタン、NVモード切替ボタンは接眼レンズ側、背面側に、エレベーションとウィンデージ調整ダイヤルは、本体右側面にあります。
レティクルは外側に65MOAのリング、中心に1MOAのドットという配置で、光量調整は20段階、NVモードで10段階の合計30段階になります。
QDマウントの分、他の5xxシリーズよりマウント位置が 7 mm(0.25 inch)高くなっています。
表:EOTECH HWS 553 性能諸元表
全長 | 124 mm (4.9 inches) |
重量 | 396 g (14 oz) |
仕様電池 | CR123 × 2本 |
電池寿命 | 1100 時間(12/20段階時) |
553は輸入する際、米国国務省の武器輸出規制、ITAR(International Traffic in Arms Regulations)のカテゴリーI(f)、米国商務省輸出承認が必要になり、友好国の軍にのみ販売可能、そして基本的に民間販売不可となっているようです。
なお、今回紹介するレプリカは、下記の内容が実物と異なります。
・ホロサイトではなくホロサイトを模したダットサイト
・NVモードは無く、NVボタンはレティクルカラーの切り替えに使用(赤と緑)
・レティクル光量調整はレッド、グリーンともに20段階
・バッテリーはCR123×2本ではなく、単四電池x2本使用
EOTech(イオテック) 553タイプホロサイトレプリカを開封
前に取り上げた551と同じく、プラスチックではなく紙製のパッケージに入っています。
今回のレプリカホロサイトの同梱物は、一例として下記の通りでした。
ロットや流通経路の違い等で、同梱物が変わる可能性があります。
パッケージ
・[反射軽減レンズ使用] EoTechタイプ 553ミリタリー ホロサイトレプリカ ブラック
レプリカホロサイト本体になります。ビニール袋に包まれていました。
本体カラーは黒になります。
・レンズ拭き
レンズを拭くための布です。
・マニュアル
使い方の書かれた、折りたたまれた紙になります。
EOTech(イオテック) 553タイプホロサイトレプリカの使用感
・外見
ぱっと見の再現性は相変わらず高い感じです。
樹脂の電池ケースは、実物のファイバー混入樹脂とは違う、ソリッドな樹脂製でした。
よくある差異としては、ロゴの形状や位置の違い、使用フォントの形状やサイズ、位置の違い、ネジ種の違い(トルクスをヘックスに変更)というあたりでしょうか。
・電池
本体側に、使用する電池の刻印『AAAx2』と、電池のセット方向『+、-』のモールドがあります。
モールドに書いてある端子を奥側になるように単四電池を2本セットします。
本来ならばCR123を2本使うのですが、コスト的にこれはこれでありかとは思いました。
・レンズ
対物側は最近のレプリカホロサイトで見かける、一昔前の映り込みの激しいミラーコーティング…よりは多少マシな、少しは実用度が高そうなコーティングが施されていました。
接眼側は今までと同じ感じの、レティクルの視認性を高めるための暗めのコーティングとなっています。
対物側、前面からは、角度によって相変わらずレティクル表示用のLEDの光が見えます。
良くも悪くも、最近のノーブランドのホロサイトレプリカによくある感じでしょうか。
レティクルカラーが切り替えられるドットサイトはコーティングのせいで明るさが暗めになる印象なので、実用度では若干落ちる印象です。
・操作ボタン
初期のEOTech ホロサイトと同じく、本体後部に光量の下矢印(マイナス)、上矢印(プラス)ボタンがあります。
プラスを押すと電源がONになり、プラスとマイナス両方のボタンを同時押しするとOFFになります。
ボタンにはクリック感はないものの、押しっぱなしでも操作可能でした。
レティクルの光量切り替えは、20段階はありそうです。
電源ON時にプラスを押すと光量が段階を経て強くなり、最大の光量になった後はそれ以上明るくなりません。
マイナスの場合も同じく、光量が段階を経て弱くなり、最小の光量になった後はそれより暗くなりません。
NVボタンを押すと、レティクル色が赤と緑に切り替わります。
・レティクル
実物の553の場合、レティクルはサークルとドットの組み合わせで、外周65MOAのリング、中心に1MOAのドットという配置です。
今回のレプリカは外周にリング、中心に3つのドットという配置になり、前に取り上げた551のレプリカと同じ形状でした。
レティクルの視認性は比較的良好でした。
赤のレティクルでも屋外でそこそこ使えそうです。
緑は輝度が赤よりも高く、屋外でもある程度使用可能な印象でした。
ただし、最大光量付近でレティクルが二重に表示されることがあります。
・ヴィンテージとエレベーション
本体右側面に、ドライバーやコインなどで回すレティクルの左右、上下調整用ネジがあります。
ネジにクリック感はありませんでした。調整範囲を超えてどこまでもまわせます。
使用する個体や銃、マウント位置などで、レティクルに必要な調整範囲が変わることもあり、今回もどの程度まで調整可能かは突き詰めませんでした。
・レイルへの固定
銃への固定は、本体左側側面にあるスルーレバーを使います。
比較的固めで、装着するマウントによってはレバーが固定位置まで回らないかもしれません。
購入したサイトの商品説明では、下記の記載がありました。
搭載エアガンによってはレイル接触部分、爪の削り等の調整が必要です
・セットアップ例
EOTech(イオテック) 553タイプホロサイトレプリカのまとめ
今回紹介したレプリカのEOTech(イオテック) 553タイプホロサイト、如何だったでしょうか。
諸事情で実物の入手が非常に困難なアイテムの一つなので、外見上のアイテムとして考えた場合はレプリカ一択となる事が多いかと思います。
実用とする場合はやはり、ホロサイトのレプリカ=ドットサイトとしての性能が、ドットサイトとして劣る部分もあり、アイテムへの愛が無いと厳しそうです。
運よく実物を手に入れることができたとしても、性能に見合わない価格だったり、整備や修理が共食い以外望めないのがネックだと思います。
ホロサイトを実用で考えた場合、価格はそれなりになりますが、つぼみアームズで扱っているEOTechの現行モデルをお薦めします。
正規流通品なので、万が一の際の故障や修理など、EOTech社の保証を受けることができます。
サバイバルゲームなどで使用する実用の光学照準器として、それなりに性能を求めたり、コスパに優れたものが欲しい、という場合は下記のドットサイトは如何でしょうか。
ベクターオプティクス ドットサイト マーベリック GENII-MIL SCRD-38
画像:ベクターオプティクス ドットサイト マーベリック GENII-MIL SCRD-38
商品名 | ベクターオプティクス ドットサイト マーベリック GENII-MIL SCRD-38 |
重さ | 183 g (6.4 oz) |
光量調整 | 11段階 |
対応バッテリー | CR2032 x1 |
価格 | ¥8,400(税込) |
チューブ式のドットサイトで、いわゆるAimpoint T1互換系の小型なモデルです。
QD式のハイマウントやキルフラッシュなどが同梱されています。
本体のラバーコート色が違うSCRD-39(https://tsubomi-arms.net/shopdetail/000000001907)というモデルもあります。
ベクターオプティクス ドットサイト 1x28x40 Vector Optics RDSL09
画像:ベクターオプティクス ドットサイト 1x28x40 Vector Optics RDSL09
商品名 | ベクターオプティクス ドットサイト 1x28x40 Vector Optics RDSL09 |
重さ | 168 g (6.0 oz) |
光量調整 | 6段階 |
対応バッテリー | LR44 x2 |
価格 | ¥6,000(税込) |
オープンタイプのドットサイトになります。
QD式のマウントで、レティクルの形状を四種類から切り替えられます。
その中にはホロサイトのレティクル形状に近い、サークル+ドットの物も含まれます。
ホロサン ドットサイト HOLOSUN HS510C
商品名 | ホロサン ドットサイト HOLOSUN HS510C |
重さ | 140 g (4.94 oz) |
光量調整 | 10段階 + 2段階(ナイトビジョンモード) |
対応バッテリー | CR2032 x1 |
価格 | ¥40,300(税込) |
こちらもオープンタイプのドットサイトになります。
価格は先程までお薦めしたドットサイトよりも高価ですが、堅牢な筐体で高い耐久性を誇ります。
レティクル形状が、ホロサイトのレティクル形状に近い、サークル+ドットの物や、ドット単体の物にも切り替えられます。