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ドットサイト・ライフルスコープ(光学サイト)のトラブルシューティング

あなたは、光学サイトを使っていて、

と言った経験はないでしょうか?

 

照準器専門店の当店では、購入いただいたお客様から、こういったご不安・心配の問い合わせを多数を頂いております。

それらの問い合わせの多くは、ゼロインに関する勘違いや、正しい使い方が出来ていないことで、引き起こされています。

 

そんな、不安や心配を持つ人が一人でも減るように、そして、光学サイトの性能を100%味わって欲しくて、光学サイトのトラブルシューティングをまとめました。

シューティングの精度や、光学サイトに対して疑問が出た時にお読みいただけると幸いです。

 

 

 

 

【目次】

  1. Q:レティクルをターゲットに合わせているのに当たらない
  2. Q:ゼロイン調整をやっても着弾点に合わせる事が出来ない
  3. Q:レティクルが光らない・光り方がおかしい

 

監修:エボログ(https://blog.evolutor.net/)

Q:レティクルをターゲットに合わせているのに当たらない

A:ゼロインは出来ていますか?

 

アイアンサイト、ドットサイト、スコープ全てにおいて照準器と呼ばれる物は必ずゼロイン調整という着弾点を調整する機能を使う必要があります。

アイアンサイトの場合はゼロイン調節を行う機能が備わっていない物もありますが、ドットサイトとスコープに関しては必ずその機能が備わっています。

 

スコープを例に挙げるとこのようなダイアルが付いているはずです。(製品によってはカバーで覆われている場合もあります。)

ゼロイン調整ダイヤル(ウィンテージダイヤル)

 

上側についているダイアルを「エレベーテーション」と呼び、右側に付いているダイアルを「ウィンテージ」と呼びます。(製品によって位置が異なる事があります)

このダイアルを回す事で、着弾点を調整する事が可能になります。

 

このダイアルには「1CLICK 1/4 M.O.A」「ーR→」という印字がされています。
これはダイアルを1クリック、矢印の方向に回す毎に1/4 MOA 着弾点が右(RはRightのR)に動くという意味になります。

 

この稼働量や単位は製品によって異なり、1CLICK 1/2 MOAと書かれている事があったり、1CLICK 1/10 MILと書かれている事もあります。

 

ここで出てくるMOAやMILという単位ですが、光学サイトでは必ず出てくる単位になります。
日常生活における「メートル」や「リットル」と同じ位、当たり前のように出てきます。

(このMOAやMILはかなりややこしいので、この記事では割愛します。)

 

とにかく、このダイアルを回すと左右に着弾点をずらす事が出来ると覚えて頂けると良いでしょう。

では、上下に着弾点をずらすにはどうすれば良いか?と言うと、これは別のダイアルを使います。

1クリック辺りの稼働量は同じですが、UPと書かれています。
これはこのダイアルを矢印の方向に回すと着弾点が上がっていくという意味になります。

 

尚、製品によってはダイアルに表記が無い場合もありますが、この場合は取扱説明書に記載されている事が多いです。
安価な製品ではそれすら省略されている事もありますが、基本的に上側のダイアルは左回りで上方向に着弾点が動き、側面のダイアルは左回りで右方向に着弾点が動かせると考えて貰えれば良いと思います。

 

調整ダイアルを使ってゼロイン調整をする方法

まず、ターゲットの真ん中を狙って3発以上射撃します。

何故3発以上撃つかというと、着弾点の中心を出す必要がある為です。

3発の着弾点の中心をターゲットの中央に来るようにダイアルを回していきます。

今回の例だと、着弾点が左上に逸れているので、着弾点を右下に動かす必要があります。

 

その為、ダイアルの操作は下記の通りになります。

 

この1、2の手順を行って再度3発以上撃ちます。

 

かなり近づいてきたので、あともう少しダイアルを同じ方向に回せば調整完了です。

 

逆にこういう事になった場合は、ダイアルを回しすぎなので、少し戻しましょう。

今度はRと書かれているダイアルを右方向に回し、UPと書かれているダイアルを左方向に回します。

 

尚、このようにゼロインを行う際には大前提として「銃の命中精度が十分にある事」が挙げられます。

例えば、着弾がこのような状態だと、きっちりゼロインを出す事が出来ません。

その為、ゼロイン調整を行う前に自分の銃がしっかり狙った所に飛んでいるのかを確認する必要があります。

 

HOP-UP機能もゼロイン調整に大きな影響を及ぼします。

HOP-UPとは、BB弾に逆回転を掛けて飛距離と命中精度を高める方法なのですが、基本的に弾道はこのような感じになります。

ただ、人によってはもっと遠くに飛ばしたいという思いから強めにHOP-UPを掛ける方も多いでしょう。

HOP-UPを強くすると着弾点が上に行きすぎる為、このように銃を下方向に向けて撃つ人も度々見かけます。

このようにHOPを強く掛けてしまうと、当然ながら10m、20m、30m、40mで着弾点が上下に大きくズレてしまいます。

 

例えば10mでゼロインした場合、それは10m専用のゼロイン設定であって20m、30mでは使えません。

HOP-UPを強く掛ければ掛けるほどこのズレは大きくなります。

 

その為、「ゼロイン設定しても当たらない」という時はそもそも自分が何メートルでゼロインを行っているのか、そして自分の銃のHOP-UPはどの程度掛かっていてどういう弾道になっているのかを調べる必要があります。

 

ゼロインした後にHOP-UPの調節を行うのもあまり良くないですね。
まずはしっかりHOP-UPを調整し、ちゃんと狙った所に着弾する事を確認した上で光学サイトのゼロインを行うのがベターでしょう。

 

また、銃の精度もHOP-UPも問題無いのにうまくゼロイン調節が出来ないというケースも存在します。

 

環境の問題で正しくゼロインが出来なくなる

BB弾は重量弾を使ってもせいぜい0.4g程度の重量しかありません。
一般的にサバイバルゲームで使用するBB弾だと0.2g〜0.28gといった非常に軽い弾なので、風の影響をよく受けます。

 

例えば、肌で感じられない程度の微妙な横風が吹いていても20m、30m先では数センチ〜数十センチも着弾点がズレてしまいます。

肌で感じられるような横風、草木がなびくような横風が吹いていると正直どこに着弾するかなんて分かった物では無いです。

何メートルも逸れてしまう事もああります。

 

そんな環境下でゼロイン調整を行うのは無謀に近い行為です。

 

また、ゼロインが済んだ銃を使う場合は、「右方向からこれくらいの風が吹いてるから、着弾は少し左にズレるな、なら少し右側を狙おう」といった考えを持つ必要があります。

 

Q:ゼロイン調整をやっても着弾点に合わせる事が出来ない

A:レールやマウントリングの歪みが無いか、ご確認下さい。

 

グルーピングもHOP具合の問題も無いのに、なにをどうやってもゼロイン調節がうまく出来ない場合は、銃本体やマウントリングに何かしらの問題がある可能性があります。

 

トラブルその1:マウントベースが歪んでいる、レールの幅がおかしい

これは意外とよくある話で、例えば20mmレール自体がまっすぐ付いておらず、光学サイトが斜めに付いてしまったり、レールの幅がおかしいせいでマウントベースが付けれなかったりといった事があります。

 

20mmレールの規格は色々な種類がありますが、一番メジャーな規格はピカティニー規格でしょう。
ピカティニー規格の場合は下記の寸法になっています。

基本的にレールの幅をノギスなどで測っていただき、0.835インチ-0.005インチ(21.209mm-0.127mm)で、かつかつ左右のくの字になっている部分の角度が45度であれば問題は無いはずです。
稀にレールが妙に薄くてマウントリングがガタついてしまう事もあるので、その場合は厚みも測ってもらった方が良いかもしれません。
厚みは0.164インチ-0.020インチ(4.1656mm-0.508mm)の間になっていればOKです。

 

もしこの寸法から大きくズレてしまっている20mmレールは、レール部分のみ交換する事ができるエアソフトガンで無い限り、基本的に「銃を変える」以外に解決策はありません。

 

トラブルその2:マウントリングの精度が悪い

マウントリングの精度が悪く、うまく20mmレールに付いていない事があります。

また、マウントリングの精度が悪い状態で無理やり光学サイトを取り付けると、光学サイトが変形してしまったり、最悪の場合破損してしまう事もあるので、注意が必要です。

 

固定する時に「なんか変な隙間が出来ているな」「なんかグラつくな」と違和感を感じたら使うのをやめた方が良いです。

 

尚、マウントリングのズレ、歪みを取り除く作業を「ラッピングアライメント」と言います。
このようにマウントリングをレールに取り付けた状態で「ラッピングツール」と呼ばれる専用のジグをこする事で、リングの歪みを直します。

詳しくは「ラッピング」で調べていただくと良いでしょう。

 

トラブルその3:光学サイト本体が悪い

光学サイトの初期不良で稀に光学サイト側に問題が起きている事もあります。

もしエアソフトガンの性能にも、マウントベースも、マウントリングも問題が無いのにも関わらず、調節が全く効かないのであれば、光学サイトに問題がある可能性が出てきます。

 

Q:レティクルが光らない・光り方がおかしい

Q:電池を入れてるのにレティクルが光らない

A:電池を入れる向きは合っていますか?電源の投入方法は合っていますか?

 

ドットサイトは製品によって電池を入れる場所、入れる向きが異なっているので、今一度取扱説明書をご確認いただき、電池を入れる向きが合っているかご確認下さい。
電源の入れ方も製品によって違いがありますので、こちらも取扱説明書をご確認下さい。

 

また、もし電池が使用済みの場合、新品の電池に変えてお試し下さい。

 

Q:ドットが滲んだり欠けたりしている

A:乱視はありませんか?スマホのカメラで取ればすぐわかります。

現代人のほとんどの人が、乱視を抱えています。ドットを点灯させたまま、スマホのカメラでドットを撮影してみてください。

乱視が影響で滲んだり欠けたりしていたのであれば、撮影したドットはきれいな点になっているはずです。

もし、カメラで撮影しても肉眼と同じように滲んだり欠けたりしている場合は、不良の可能性がありますので販売店にご相談ください。

 

Q:ドットが複数反射して見える

A:LEDの光量は適切ですか?

 

周囲の環境が暗い場所で、光量を強くして利用すると、ドット(レティクル)が反射して、複数見えることがあります。

光量を落として使用するか、明るい場所に移動して再度確かめてみてください。

もし、レティクルが視認できないレベルで光量を落とさないと反射が治まらない場合は、不良の可能性がありますので販売店にご相談ください。

 

光学サイトがうまく使えない時のチェックリスト

■照準器取付時のチェックリスト

 

■ゼロイン前のチェックリスト

 

■ゼロイン中のチェックリスト

 

 

いかがだったでしょうか。あなたの疑問は消えましたか?

もし、他にも疑問点等ありましたら、コメント欄にてお待ちしております。

今後も、光学サイトを一緒に楽しみましょう。