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TrijiconのMROをレビュー!

導入

アメリカ軍で導入している光学照準器と言えば、イオテック(EOTECH)のホロサイト、エイムポイント(Aimpoint)のドットサイト、トリジコン(Trijicon)のプリズムサイトが有名かと思います。
今回はそのデファクトスタンダード群ともいえる光学機器の中で、独自のアプローチにより特色の強いTrijiconの光学機器を取り上げたいと思います。

Trijicon とは

Trijiconは、アメリカ、ミシガン州で1981年に創立された光学機器メーカーです。
当初は海外で製作された光学機器を輸入販売する代理店業務をメインとしていましたが、1985年に社名をTrijiconに変更し、トリチウムを使った夜光サイトの製造を始めました。
その2年後、1987年には同社をイメージ付ける製品『TA01 4×32 ACOG(Advanced Combat Optical Gunsight)』が米軍に導入されることになります。
これは、同社が得意とするトリチウムを使った、自己発光するレティクルを採用した光学照準器でした。
レティクル発光の補助に導光ファイバーを使ったモデルもありますが、トリチウムは電池を使うことなくレティクルを発光でき、寿命は10年~15年程になります。

Trijicon MRO とは

今回紹介する光学機器は、Trijicon MROのレプリカモデルになります。
実物のTrijicon MROは、Aimpointのドットサイト T-1に対抗するために開発されたドットサイトです。
他社のT-1対抗モデルが対物レンズ、接眼レンズ共に20mmサイズでT-1の形状に準じたものが多い中、Trijicon なりのアプローチで、対物レンズ25mm、接眼レンズ20mmというユニークな形状になっています。

表:Trijicon MRO® 1×25 Red Dot Sight 性能諸元表

全長 66.04 mm  (2.6 inches)
重量 144 g (5.1 oz)
光量調整 8段階(内ナイトビジョンモード2段階)
仕様電池 CR2032 × 1個
電池寿命 5年(光量 ”3” 設定時)

Trijicon MRO ダットサイト レプリカ を開封

今回購入したレプリカのドットサイトですが、同梱物は下記の通りでした。
なお、流通経路や販売元、製造元の違いで、同梱物が変わる可能性があります。

パッケージ

・簡易マニュアルと商品リスト
性能、仕様が書かれた紙のマニュアルと、マウントと本体の組み合わせでどの商品番号になるかのリストになります。

・Trijicon MRO ダットサイト レプリカ
ドットサイト本体になります。ローマウント装着済みで、乾燥材と一緒にビニール袋に入っていました。

・六角レンチ1本、レンズ拭き、ネジ4本
マウント固定ねじ用の六角レンチ1本と、レンズ拭き用の布、マウントと本体を固定する予備のネジになります。

・CR2032 電池
テスト用の電池です。

・ショップカード
今回購入した流通業者の検品証明書兼保証書です。

・フリップキャップ兼キルフラッシュ、固定ねじ用六角レンチ1本
MRO用のフリップキャップ兼キルフラッシュと固定のネジ用六角レンチです。

・ハイマウント
軽量な金属製のハイマウントです。
本体に取り付けられているローマウントと交換すると、Absoluteの高さになります。

Trijicon MRO ダットサイト レプリカの使用感

・外見
接眼レンズはT-1ドットサイト系と同じ20mmながら、対物レンズがそれよりも大きい25mm
の為、小型ドットサイトながら大きめなイメージを受けます。
刻印や印字関連は、一部省略されていたり、位置やサイズが怪しい箇所もありますが、ほぼ全面に入っていました。
(実物で Trijicon® MRO™と凸の刻印がある個所が、レプリカだとTrijicon MRO など)

・バッテリーケース
操作スイッチを兼ねる上部バッテリーケースの蓋を開け、プラスを上向きにして電池を入れます。
実際に防水かどうかはわかりませんが、蓋には赤いパッキンが装着され、電池に圧を加えるためのスポンジ状のパッドが付いていました。

・レンズ
対物レンズはルビーコートの様な赤めなコーティングが施されていました。
接眼レンズは青系のコーティングが施されていました。多少映り込みがあるものの、透明度は高く明るめの印象です。
実物のMROは、1倍と言いながらもほんの僅か、1.1倍弱拡大していましたが、このレプリカはその部分の再現は無く、1倍のようです。

対物レンズは実物と同じく、上下に角度がついて取り付けられています。

・操作スイッチ
電池ケースを兼ねる円筒状のスイッチには、実物と同じ『・、n、N、1、2、・、3、4、5、6』の10段階のポジションがあります。
『n』と『N』はナイトビジョン用の2種の光量で、通常時の光量ポジションは『1~6』の6段階、点灯OFFはナイトビジョンの手前と、光量2と3の間、2か所存在します。
スイッチは一番端の『・』と『6』までしか回りません。
操作スイッチは大分固く、しっかりと握って動かす必要がありましたが、個体差もありそうです。

・レティクル
レティクルは2.0 MOAのレッドドットで、比較的クリアな円形が表示されました。
光量調整に関してですが、手元にナイトビジョンが無い為、NV用の光量は確認できませんでした。
最大輝度の6で写真の感じで、サバイバルゲームで使用した場合、屋外フィールドでは5か6で実用、それ以下では確認しにくく、屋内フィールドでは4位までが実用、という印象でした。

・レティクル調整
エレベーションノブは筐体上部、ウィンデージノブは筐体右部にあり、実包のリム部やマイナスドライバー、コインドライバーなどで調整できます。回転はクリック感のあるタイプです。
対物レンズが斜めについているため、エレベーション調整は少し癖がありました。
レプリカの宿命として、調整範囲内に収まらない可能性もあります。
今回入手したこのレプリカでは、その場合流通業者に連絡をして欲しい、との事でした。

・マウント
ローマウントとハイマウントの二種類が付属しています。
レイルへの固定は六角ネジでした。
マウントとドットサイトはプラスの小ねじ四本で固定されていて、ネジを外せば交換可能です。

・フリップキャップ
付属しているMRO用のフリップキャップ兼キルフラッシュは、対物レンズ側にはめこんだ後に六角レンチで締めこみ、装着できます。
前方からのレンズの反射を防ぐ、キルフラッシュも兼ねています。
簡単な防弾対策にもなりますし、分解してフリップキャップとして使ったり、アクリルなどのレンズガードを加工してはめるのも良さそうです。

銃とのセットアップ例

Trijicon MRO ダットサイト レプリカ のまとめ

T1ライクなドットサイトが多い中、Trijicon MROは独自のアプローチで個性を出すことに成功しています。
現在ではHDと呼ばれる、レティクルがサークルドットのモデルや、赤ではなく緑の物などを追加してシリーズを拡充しています。

T1系よりも筐体が大きい分、ロープロファイルにマウントすることには向いていませんが、視界の広さを生かせるならば、このドットサイトも悪くはないかもしれません。

このMROのレプリカドットサイトですが、レンズは明るめですし、使用する環境で輝度に不足が無ければ、実用とするならばのお約束、ゼロインが自分の使っている銃器で可能か、良い個体、当たりの個体を購入できるかどうか次第で、悪くは無いかもしれません。

または、光学照準器としてそれなりの実用性能の物だったり、コスパに優れた物が欲しい、という場合は下記の物は如何でしょうか。

他にお勧めできるドットサイト

ベクターオプティクス ドットサイト Centurion 1×30 SCRD-34

商品名 ベクターオプティクス ドットサイト Centurion 1×30 SCRD-34
重さ 170 g (6.0 oz)
光量調整 7段階 + 1段階(ナイトビジョンモード)
対応バッテリー CR2032 x1
電池寿命 20,000 時間
価格 ¥16,200(税込)

Trijicon MROライクな外見のチューブ式のドットサイトになります。
MROは対物レンズが25mmですが、こちらのドットサイトは30mmと少し大きいです。
仕様面や性能は一部違うものの、MROの形状が好みならば、こちらのモデルだとノーブランドのレプリカとは信頼性やアフターサポートの差に期待できます。

ベクターオプティクス ドットサイト ノーチラス 1×30 Nautilus 1×30 QD SCRD-26II

商品名 ベクターオプティクス ドットサイト ノーチラス 1×30 Nautilus 1×30 QD SCRD-26II
重さ 270 g (9.5 oz)
光量調整 11段階
対応バッテリー 単3電池 x1
価格 ¥9,100(税込)

Trijicon MROよりも対物レンズ径が大きい、30mmクラスのドットサイトです。
大きさや重さは増しますが、視界の広さと入手しやすいバッテリー、価格面でアドバンテージになるかもしれません。

ベクターオプティクス ドットサイト 1x28x40 RDSL09

商品名 ベクターオプティクス ドットサイト 1x28x40 RDSL09
重さ 168 g (6 oz)
光量調整 6段階
レティクル切り替え 4パターン
対応バッテリー LR44 x3個
価格 ¥6,000(税込)

Trijicon MROと対物レンズ径が近い、28mmクラスのドットサイトです。
オープンタイプでレティクルが4種類から選べ、軽量で、コストと性能のバランスに優れたモデルです。