EOTech 551のレプリカをレビュー!
今回はノーブランドのEOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトをレビューしていきます。
ドットサイトと記述しているとおり、このレプリカは実物とは構造が異なります。そのため、一般的なドットサイトと比較して無理のある構造をしているのが特徴の一つです。
ノーブランド EOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトのパッケージ
開封する前に、まずはパッケージの外観を見ていきます。
ハードケースのため、運搬時はもちろん保管する時にも役立ちます。
側面に貼られたラベルがこちらです。
価格を考えれば中国製は妥当でしょう。
ここからは中身を見ていきます。上蓋側には書類、下側にはドットサイト本体が入っています。
中身を並べてみたのがこちらになります。
内容は次のとおりです。
- EOTech 551ホロサイト型ドットサイト 本体
- 日本語取り扱い説明書
- 英語取り扱い説明書
- 保証書
- レンズクリーナー
説明書が充実しているため、初めて購入する方も困りません。
ノーブランド EOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトの外観
ここからは本体を見ていきます。まずは左側面です。
基本的なフォルムは実物をよく再現しています。しかし、細かい部分で違いがあるのでピックアップして紹介します。
1つ目は、本体にカバーを固定するネジが異なります。実物はトルクスネジですが、これは六角ネジになっています。
2つ目は“FOR LAW ENFORCEMENT / MILITARY USE”のサイズや位置です。実物の刻印はマウント固定用のネジの下に隠れる位置にあるのですが、このドットサイトではネジに隠れない位置にあり、フォントも一回り大きくなっています。
3つ目は、外観上最大の問題点のメーカーロゴです。EOTech 551はXPSと入れ替わる形で2013年頃に絶版となっています。ですが、このドットサイトには2016年からのメーカーロゴが入っているので、見た瞬間にレプリカと分かってしまいます。
続いて右側面を見てみます。
右側面も大きくメーカーロゴが入ってしまっており、リアル志向の方は難色を示す出来になっています。
正面から見たのがこちらです。
実物では映り込みはほとんどありませんが、ドットサイト化するためにハーフミラー加工されています。
ゲーム用途で考えた場合、強い光を反射して位置がバレてしまったり暗いフィールドで索敵しづらかったりといったデメリットの原因になっています。
後ろ側から見たのがこちらです。
操作系は背面にまとめて設置されています。ナイトビジョンモードのボタンはサークルドットの色の切り替え、輝度調整ボタンは電源スイッチも兼ねています。
こちら側から見るとわかるのですが、光軸の角度を抑えるためにドット用のLEDが接眼レンズ下に設置されており、その結果として接眼レンズ側もハーフミラーになっています。二重でハーフミラーを設けた結果、レンズが更に一段階暗くなっています。
底面は実物とほぼ同じ構造です。
1本のネジで固定するだけなので、素早くつけ外しができます。
ここからは、実際にエアソフトガンに載せてみます。まずはAR-15系に載せてみます。
続いて、右側からクローズアップしたのがこちらです。
最後に左側からクローズアップしてみます。
EOTech 551が販売されていた時期を考えると、細身のハンドガードとはミスマッチ感が出てしまうかもしれません。
続いて、各所で見ることが多いM870に載せたケースも見てみます。
このセットアップの場合、ドットサイトと干渉してしまうのでシェルを下からしか抜けなくなります。このデメリットを許容できるなら、サイティングしやすい高さになります。
最後にAK系からPP-19-01 Vityazにも載せてみました。
実際にロシアのFSBでもEOTech製のホロサイトの使用実績があるだけに、違和感は少ないかと思います。
ノーブランド EOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトの使用感
ここからは実際にバッテリーを入れて使用感を確認していきます。バッテリーは前方のレバーを起こすとアクセスできるバッテリーケースに収納します。
バッテリーケースにアクセスするには、レバーを起こします。
この状態でバッテリーケースを前方に少しだけずらすと外すことができます。
外すとこのような形になります。
取り外したバッテリーケースにLR44ボタン電池を4つ収納します。
今回のパッケージの中にはLR44ボタン電池が入っていなかったので、別途用意しました。
実物は単5電池を使用するのですが、入手性を考えてLR44ボタン電池アレンジしているのではないかと思います。
バッテリーケースの取り付けは外す時と逆の手順です。気を付けるポイントは、取り付け時に電池がこぼれ落ちないようバッテリーケースを立てて本体に載せることくらいです。バッテリーを入れたので、サークルドットを点灯して確認していきます。まずは最高輝度で赤いサークルドットを表示してみました。
頬付けと変わらない距離で見ると、写真のようにサークルドットの形状がきれいに見えるのですが、距離を離したり角度をつけて覗くとサークルドットが大きく歪んでしまいます。
実物のサークルドットは、素早いエイミングと合わせて、ターゲットまでの距離を測るための機能を備えています。そのため、構え方に関わらず68MOAのサークルが表示されるのが特徴ですが、歪んでしまうこのドットサイトでは、サークルを表示する意味の半分が損なわれています。
続いて、緑のサークルドットを最高輝度で表示したのがこちらです。
基本的な特性は赤のサークルドットと変わりません。強いて言えば、赤よりも視認性が高いことでしょうか。
続いて、屋外で見て比較していきます。まずは赤のサークルドットから見ていきます。
根本的にLEDの輝度が足りず、快晴では全く見えませんでした。光を遮るものが無いCQB系のアウトドアフィールドでは使い物にならないレベルです。
続いて緑色のサークルドットで見てみます。予想通りですが、傾向は赤いサークルドットと変わりません。
どちらの色のサークルドットを使用したとしても、晴天では使い物になりません。
他にも問題があり、覗き込む角度によってはレンズ自体は暗いにも関わらず、白飛びする傾向があります。
逆にインドアで使いやすいかと言われるとそれも疑問符がつきます。二重のハーフミラーのせいでレンズ越しの視界が暗くなってしまうので、森林フィールドや暗めのインドアフィールドなど、索敵のためにコントラストを求められる環境では支障が出てしまうレベルです。
本来ならゼロインの精度も見るべきなのですが、サークルドットの品質が悪くゼロインの精度が担保できないので省略します。
ノーブランド EOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトのレビューまとめ
今回はエアガン市場が販売しているノーブランドのEOTech 551 タイプ ホロサイト型ドットサイトを一通り見てきました。値段のわりには外装はよくできています。
ですが、実物のEOTech 551は2013年には生産終了されており、2016年頃に採用された現行のメーカーロゴが入っているミスが起きています。
また、外装を優先した結果、対物レンズと接眼レンズの両方にハーフミラー加工が施されています。結果として照準器としては致命的な欠陥を抱えています。このような品質では正確な照準はできません。
強いてこのモデルが向いている方を挙げるとすれば、時代考証を気にしないライトなコスプレ目的の方だけというのが正直な感想です。ゲームユースで考えるのであれば、絶対に買ってはいけないモデルです。 なお、実物ホロサイトを製造しているEOTechは、この製品を含むホロサイトを模したドットサイトはアメリカ国内で詐欺に使われている偽造品なので購入しないよう声明を出しています。 アメリカでは正規に流通させられないものだと認識し、購入する前に十二分に検討することをお薦めします。参考:Don’t Get Scammed! – How to Detect a Counterfeit EOTECH
品質とコストの両方をとるのなら
今回紹介したノーブランド EOTech 551タイプ ホロサイト型ドットサイトの実態は出所不明のノーブランド品であり、コストパフォーマンスは最悪です。また、構造が全く異なるのでメーカーからは黙認されていますが、法的にグレーなドットサイトでもあります。
デザインを最優先したい方にはいいかもしれませんが、サバイバルゲームで使いたい方には別のドットサイトをお薦めします。
近い価格のものであればVector OpticsのMaverickをお薦めします。
引用:つぼみアームズ
Maverickであれば、雑に扱ってレンズが割れても懐が痛まないので、サバイバルゲームには最適でしょう。今回レビューしたドットサイトは晴天で使い物になりませんでしたが、これ以降挙げるモデルなら全く問題ありません。
もし、より良いモデルを探しているのであればHolosunのHS503Rをお薦めします。このモデルであれば、サークルドットも使うことができます。
引用:つぼみアームズ
その他のメーカーであれば、Vortex OpticsのCrossfire Red DotやSIG SAUERのROMEO 5などを検討してもいいかもしれません。
ノーブランドのドットサイトを照準器として購入してしまうと後悔するので、ぜひ他のモデルを検討してください。